ハサミ

プレゼントとして贈ってはいけないもの

プレゼントとして贈ってはいけないものがいくつかあります。多くは語呂の悪さが原因です。こういったものは昔から縁起が良くないといわれ続け、現代まで続いています。あまり神経質になる必要はありませんが、受け取る側が不快になる恐れや常識がない人だと思われないためにも理解しておくことは大切です。

日本茶・緑茶

日本茶や緑茶は葬儀や法事などお悔みごとで贈られることが多く、お祝いの贈り物として避けたほうがよいものとされています。お悔みごとの際に贈られる理由は、お葬式などは急な出来事で品物を用意できず、家に常にあるお茶をせめて手土産として渡すといった行いの名残だからと言われています。

ライターやストーブのように火を連想させるもの

新築祝いや開店祝いなど、新しい事業を開始した方にとって火を連想させるものは縁起の良いものとはいえません。また、火を連想させる赤い色もよくないとされ、花をプレゼントする際、赤色だけで揃えることも良くないとされています。
キャンドルのようにインテリアに馴染むためにお祝いの品として贈ってしまいがちなので、引っ越し祝いや新築祝いなどの際には気をつけましょう。

靴下・靴

生活必需品であり、デザインや素材、カラーも豊富なので、プレゼントとして人気がある靴下。履物には踏みつけるといった意味があり、上司や目上の方に贈るプレゼントとしては不適切だとされています。靴やスリッパも同様です。
靴下の下という漢字が相手を見下す、下に見るというイメージとしても受け取られ、非常識だという印象を持たれるかもしれません。
出産祝いをはじめとしてプレゼントとして人気の高い靴下ですが、贈る相手は注意したいところです。

鉢植え

鉢植えにはその場に根付くという意味があるため、入院されている方へのプレゼントだと、病院へ根付く=寝付くといった意味合いから、病気やけがを長引かせ、その場にとどまることをイメージするため相応しくないとされています。
お花をプレゼントされる場合、この点を忘れないようにしてください。また、縁起の良し悪しだけではなく、お花を受け取る側の立場を考えることも大切です。花束は見栄えがよく存在感はありますが、花瓶を用意したり、定期的に水換えをしたりする必要があります。そのため、お花をプレゼントする場合、フラワーアレンジメントやプリザーブドフラワーがおすすめです。
一方、鉢植えはその意味から新築祝いには相応しいプレゼントとされています。

割れ物・グラス

割れ物は「関係が割れる」という縁起が悪い意味合いからタブーなプレゼントとされています。しかし最近では、結婚祝いとしてマグカップや食器を贈ることも増えているので、気にしすぎる必要はなさそうです。
心配な場合は、事前に確認をとって伝えるといいでしょう。

意味がポジティブなものに変わってきているプレゼント

元々、縁起が悪いく、プレゼントとして適さないものがいくつかあります。昨今では考え方の多様化によってポジティブな意味に変化したものがいくつかあります。

お箸

お箸は三途の川への橋渡しという意味にも捉えられ、縁起が悪いとされる場合があります。橋渡しは「箸」と「橋」をかけたものです。特に年配の方へプレゼントする場合は注意しましょう。
一方、お箸には幸せの橋渡し、元気への橋渡しなど良い意味があります。お箸が食事に使う道具であるため、沢山食べて健康になってくださいという意味です。
また、お箸は2本で1組なので、その様子を夫婦に見立てて夫婦箸と呼ばれることも。ピッタリとくっついた様子が、夫婦仲の良さや幸せを願う意味があります。

ハサミ

手紙を開封したり、ひもや紙を切ったりと、どの家庭にも1つはあるはずのハサミ。これまでは、縁を切るというネガティブなイメージから、プレゼントとして敬遠されていました。
しかし、最近では未来を切り開くというポジティブなイメージに変わってきています。これから新生活を始める知人や友人に、新たな未来を切り開くという願いを込めてハサミをプレゼントしてもいいでしょう。

くし(ヘアブラシ)

語呂合わせで「苦死(くし)」と「苦」と「死」を連想させる縁起の悪いプレゼントとされてきました。一方で解きほぐすという意味があり、今ではヘアブラシといわれるようになったため気にされる方はほとんどいないようです。
しかし、縁起を気にされる目上の方には気を付けたほうがいいでしょう。

ハンカチ

ハンカチは漢字で「手巾」と書きます。「てぎれ」という読み方があり、縁を切るということをイメージさせるため、別れや絶好というメッセージを相手に伝える場合も。また、日本では亡くなった方の顔に白い布をかける習わしがあります。
そのため、特にしたきりや礼儀を重んじる方へのプレゼントにはおすすめしません。
しかし、実用的で誰でも使えるハンカチは、人気のプレゼントの一つでもあります。そのため、相手との関係性を考えて、カジュアルなシーンのお祝いで贈りましょう。

商品券

お祝いへのプレゼントとして便利な商品券。ただし、目上の方へのプレゼントや現金・商品券をもらったお返し、内祝いに商品券を贈るのは失礼だと感じる方がいます。
出産祝いや結婚祝いなどで、現金でいただいたお返しに商品券を贈った場合、現金に対して現金に近い商品券を返すことになります。そのため、人によって失礼だったりするのです。
しかし、近年では実用的な商品券を受け取る側も喜ぶ傾向にあり、一概にダメとは言えない状況にあります。

海外の人へ贈るのに不適切なプレゼント

日本では問題なくても外国人へ贈るプレゼントとしてはNGなものがいくつかあります。生まれた国の文化や習慣の違いによって、プレゼントの意味が変わってくれるためです。外国人の方へプレゼントを贈る場合は事前に問題ないか確認するようにしましょう。

ハンカチ

中国でハンカチは「送巾離根」と呼び、関係を断つという意味があり、ハンカチを売っているお店自体が少ないそうです。
また、ペーパータオルやハンドドライヤーの普及によって、ハンカチを使う習慣がないことも背景にあります。
ベトナムでもハンカチやタオルをプレゼントするのはNGです。夫や恋人を戦場へ送り出す女性たちは、しばしばハンカチをプレゼントしていました。以降、ベトナムにおいてハンカチは別離や悲しみの象徴となっています。
そもそも、ハンカチを使う習慣があるのは日本くらいです。もともと、ヨーロッパで生まれたハンカチですが、あくまで鼻をかむものでした。日本には手ぬぐいで手をふく習慣があったため、ハンカチも文化として馴染んでいったものです。
そのため、外国の人へハンカチをプレゼントするのは避けたほうがいいでしょう。

時計

中国の友達や大切な人に贈ってはいけないのが時計です。特に掛け時計や置時計はNGとされており、中国語での発音が「終わり」や「死」を連想させるものになっているためです。

会社のロゴが入ったもの

アメリカやイギリスでは会社のロゴや会社名が入ったプレゼントはNGとされています。その理由は、贈り物にあやかって会社の宣伝を疑われるからです。日本だと企業コラボのように会社名がデカデカと入った商品が売られていますが、アメリカ人にプレゼントとして贈ってはいけません。特に初対面の方には注意しましょう。

香水や石けん

イタリアやフランスなどでは香水や石けんはプレゼントして相応しくありません。理由として、相手に「汚いから洗ってほしい」「臭うので清潔にしてください」という意味合いになるからです。
また、仕事とプライベートを明確に分ける人たちが多いため、恋人や友人でもないのに、私室で使うものを贈られることに対して抵抗があるのです。

韓国では恋人間で靴を贈るのはNGとされています。理由は恋人へ靴を贈ると、その靴を履いて彼女が去ってしまう、逃げてしまう、違う相手に行ってしまうといった意味があるためです。
そのため、靴の贈り物は浮気や不倫を連想させるため、縁起が悪いものとされています。

花の色や種類は注意

イギリスでは白いユリは献花に使われることから、あまりいい印象を持たれません。日本で菊の花がお葬式で使われるため、プレゼントとして贈られることに抵抗感を覚える人が多いのと同じ理由です。
また、日本では明るいイメージのチューリップも、ドイツでは絶好という意味があるのだとか。ロシアでは黄色い花全般がNG。ケンカ別れや浮気を意味するので、恋人やパートナーへのプレゼントには適しません。
花のプレゼントはタブーがないか確認しておくようにしましょう。

お酒や豚肉、人形

イスラム教では豚は不浄の生き物として、豚肉を食べません。また、豚肉だけではなく、豚を原料とするラードやブイヨン、ゼラチンもNGなので注意しましょう。
お酒も同様で飲酒を禁止されており、お酒を使ったお菓子もダメなので、しっかり確認しておきましょう。
また、偶像崇拝を禁じているので、仏像やお守りはもちろん人形もいけません。
イスラム教徒は世界の人口の4分の1を占めるといわれています。中東のイメージが強いですが、パキスタンやインド、インドネシアなどの南西アジア・東南アジアにも多くのイスラム教徒が存在します。
こうした国の方にプレゼントをする場合、宗教について確認し、タブーとなる品を選ばないようにするのがマナーです。

牛肉や革製品

インドの宗教であるヒンドゥー教では、牛は神聖な生き物で、食べることはもちろん身につけることも許されません。人口の約80%がヒンドゥー教のインドではプレゼントする際に気をつけましょう。

たばこや電子たばこ

インドでは所持・保管・携帯することが法律で禁じられています。また、メキシコやシンガポール、タイなどの空港でも持ち込み・預けともに不可となっています。
日本国内では問題ありませんが、帰国する際の餞別として贈る場合は注意したいところです。